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Column
コラム

連載タイトル:DXが加速するGX ―リサイクルビジネスの目線から―

第4回:官民連携による「共同利用型システム」の整備

資源循環システムズ株式会社

マネージャー 金田 栄

昨今、オープンデータの有効活用による公共サービスの向上はもとより、官民協同による新たなサービスやビジネスの創出が経済の活性化への期待が高まっている。行政データの開示が徐々に本格化しつつある中、廃棄物処理業界においても時代の波に乗り遅れないために、誰もがインターネットで必要な情報を閲覧できる体制整備を急ぐ必要がある。

具体的には、官民関係者が構築を目指すべき共同利用型システム(以下、「資源循環プラットフォーム」)の活用により、誰もが許可業者情報をインターネットでリアルタイムに活用し、契約締結、マニフェスト管理を一体的に行うことで、処理委託及び適正処理確認を行うことを可能にする仕組みの構築が急務と言える。本稿では、資源循環プラットフォームの実現に向けた現状の課題を整理した上で、その解決策等の整理を行う。

官民が足並みを揃えたデジタル技術導入を通じて公共機関のデータを活用することで、ビジネスモデルを変革することを「官民連携DX」と定義する。産業廃棄物処理業の許可情報については、許可権限を有する自治体がそれぞれ許可業者情報を管理しつつ、国へ報告することが求められており、現在もその情報は国の「産業廃棄物処理業者情報検索システム」で確認することができる。

「官」の側の課題としては、産業廃棄物処理業者情報検索システムでは許可に係る情報が一元的・網羅的かつリアルタイムに管理されていない点が挙げられる。廃棄物の処理を委託する場合、許可権限を有する自治体が品目別に許可した事業者としか契約締結が行えないにもかかわらず、品目ごとの許可業者情報を産業廃棄物処理業者情報検索システムで確認することができない。また、登録情報は自治体毎のベストエフォートレベルに留まっており、リアルタイムで更新されておらず、結果、自治体へ問い合わせる手間が発生してしまっている。

リアルタイム更新が難しい理由として、許可情報のデータフォーマットが国や自治体間で統一されておらず、国と自治体間でフォーマットを合わせるために手入力するなどの非効率的な業務が発生していることが挙げられる。そこで、国が統一的なデータフォーマットを示しつつ、自治体との間でデータ連携が可能な情報基盤整備を財政的に後押しする等の改善を図ることで、国からの制度的・財政的な支援を受けた自治体は許可業者情報がリアルタイムでオープンにするためのシステム導入等を進めることが望ましい。

一方、「民」の側の課題としては、マニフェスト情報がビッグデータとして活用できるレベルにまで整備されていないことが挙げられる。マニフェスト登録情報を価値あるものにするためには、品目情報を詳細レベルで共通ルール・共通言語化すること、処理方法や処理後の再生に係る情報を追加していくことなどが必要となる。

従来、電子マニフェストは、排出事業者が処理事業者から処理終了報告を受けるためだけの場当たり的な情報管理に留まっていた。しかし、処理業者主導で入力ルールを統一化することで、真に有用なデータベースとしての活用が可能となり、単なる終了報告ツールから動静脈連携ツールへと変わり得ると考えられる。

官民双方が抱える課題を解決するには、いわゆる「守りのDX」を起点に、両者の連携や大手処理事業者等によるリーダーシップの発揮が不可欠となる。積年の課題を清算しつつ、廃棄物処理業界を変革するため、今すぐにでも一歩前に進むべき時が来ているのではないか。

 

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