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掲載タイトル:リサイクルビジネスのためのDX講座

第4回:「組織マネジメント」について

資源循環システムズ株式会社

マネージャー 小野寺 陽

DX推進に経営者の強いリーダーシップが求められることは言うまでもないが、VUCA「Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)」と呼ばれる時代にあっては、短期的なトライ&エラーへの迅速な対応も求められる。トップが定めた戦略を実行する各部門が細分化された体制の中、担当者が受け身の姿勢に陥れば、プロジェクトとしての柔軟性や拡張性を確保することができない。だからこそ、DXを運用する組織マネジメントにおいて、メンバー全員が責任を共有し、全員で最適と判断される決定を俊敏に行う「シェアド・リーダーシップ(共有型)」の導入が求められている。

企業や組織により、新事業の創出や業務の変革等目的は様々だが、その実行の為には強力なプロジェクトチームの編成と組織マネジメントが必要となる。シェアド・リーダーシップとは、「メンバー全員がリーダーシップを発揮する」ことを意味する。具体的には、組織に属するメンバーが指示命令に頼らず、各自が自らの目標達成に向けて自律的に活動し、自らの権限と責任で行動することである。トップが定めた戦略目標に則り、各場面で最適と思われるメンバーがリーダーシップを発揮し、リーダー以外のメンバーはフォロワーシップに徹することが望ましい。結果、リーダーの素質の向上を通じて組織全体にも良い影響をもたらすことが期待できる。

シェアド・リーダーシップの利点は、外部環境変化に素早く対応しつつ、柔軟に適応する組織を築くことが可能となる点にある。部門ごとに権限と責任を与えられたリーダーが、他メンバーの意見を取り入れ、様々な観点・価値観から物事を捉えることで、プロジェクトが多面的に展開されやすくなる。そこに新しい発想の構築や柔軟なアイデアが生まれる現象こそが、イノベーションなのである。仮に担当メンバーが入れ替わっても、トップが定めた目的や目標を共有していれば、組織内のレジリエンスを保つことができる。すなわち、シェアド・リーダーシップの「メンバーが目標に対して主体性と責任を持つ考え方」が有効となるのである。

一般論として、VUCA時代の企業・組織には、働くメンバー各々が主体的に考え、社会の変化に対応する為に素早く柔軟に適応する姿勢が必須となる。ただし、組織内での活発なコミュニケーションが無く、信頼関係が欠如する環境では、リーダー以外のメンバーが自発的に行動することは難しい。したがって、一見非効率に見えても、個別課題をテーマに担当者が定期的に集まり、アイデア出しや積極的な意見交換を行うための、アナログな会議体などを設けることも欠かせない。こうした積み重ねの上に、組織または個人としての多様な価値観や考え方がある中で、最大限のパフォーマンスを引き出す仕組みづくりこそが肝要となる。デジタル技術導入ときめ細かなコミュニケーション確保は、決して相反する課題ではない。シェアド・リーダーシップ導入を通じて、メンバー全体がお互いの強み・弱みを把握した状態で互いにリードしフォローする人間関係作り・環境作りを始めることが、これからの時代における組織マネジメントの第一歩ではないだろうか。

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